「線虫」で早期がんも尿1滴で発見!九大ベンチャー企業HIROTSUバイオサイエンスの快挙

先日のニュースで、日立とHIROTSUバイオサイエンスの
がん検査に関する共同研究の発表が行われました。
私たちにも関係のある検査になりますので、
詳しく調べてみました。
[ad]「線虫」で早期がんの発見が出来る
先日のYahoo!ニュースで、「線虫」というものが早期がんの発見に役立ち、
日立とHIROTSUバイオサイエンスという会社が共同研究を行うと発表されました。
現在もがん検診などは行われていますが、早期発見できない場合もあり、
進行してから発見されてしまう場合もあります。
臓器によっては症状がない場合もあり、早期発見が治療のカギとなります。
現在は飽食とストレスの時代で、がんは明日は我が身という時代となりました。
検査が簡単に出来るようになると、早期発見でき、働きながら治療も行えたりと、
暮らしを変えずに付き合っていくことが出来ます。
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がんを発見できる「線虫」とは?
細長い糸のような生物
この「線虫」を使った検査とありますが、「線虫」とは何でしょうか?
線虫とは、線形動物の総称で、細長い糸状の見た目をしています。無色透明で骨はないのですが、器官はあるので食事や消化といった行動はできます。体長は、0.3~1mmと小さく、無色なため目で確認することはできません。
深海や高い山など地球上の様々な場所に生息しています。細菌やカビなどを食べて生活し、中には動物や植物に寄生し、栄養を吸い取るものもいます。
線虫はとても種類が多く2万だとか1億だとかいう説もあるようです。
線虫は土壌や水中に生きるものもいれば、人間の身体に寄生しているものもいます。
実験するのに都合がよい線虫「C・エレガンス」
線虫は一般の人にとっては未知の生物ですが、生物学者にとっては馴染みのある生物だそうです。
それは、線虫の中でも、「C・エレガンス」という線虫は、室温で飼育が出来る上に、
遺伝子の数が約19000と少なく、たった4日で次世代を作ることが出来るからだそうです。
線虫「C・エレガンス」のがんの臭いを嗅ぎ分ける確率は95.8%!
この線虫「C・エレガンス」の凄い所は、がんの臭いに反応する所なんです。
使用するのは尿です。
線虫は好きな匂いに寄って行き、嫌いな匂いから逃げる特徴があります。
また、犬などと違って集中力などが関係ないので、解析もしやすく、嗅覚は犬の1.5倍も
あるそうです。
またその匂いを嗅ぎ分ける確率は95.8%なんです!
分かりにくいと言われているすい臓がんでさえ、見逃さないそうですよ!
従来の腫瘍マーカーの手法でも、10~20%台なので、
これは驚異の確率と言えますね!
九大発のべンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」
代表は九大の廣津崇亮助教授
今回のこの線虫ががんを見つける発見は、九州大学大学院生物科学部門の廣津崇亮助教らの
研究グループが行ったものです。
そしてこの「HIROTSUバイオサイエンス」は廣津崇亮助教が代表のベンチャー企業です。
この線虫の研究により、「生物診断」の実用化を目ざす技術が、
線虫がん検査「N-NOSE」です。
詳細はこちらのHPからご覧ください↓
廣津助教授は、研究に興味をもった企業に事業を任せることも考えられましたが、
企業利益の為に、高い検診料に設定されてしまったりすることをなくし、
みなさんが定期検診を行うようにこの検査が出来ることを考えて、
自分たちでベンチャー企業を立ち上げられたそうです。
この廣津助教授の判断が多くの人の命を救うことになるでしょうね。
幾らよい製品でも高くては浸透しません。
日立との共同研究を発表
ニュースでも発表されたように、今回日立との共同研究を行うことを発表しました。
線虫が尿に寄って多数集まると明るく見えるそうで、その明るさを利用した、
自動解析装置の開発を進めるそうです。
2019年~2020年の実用化を目指す
現在研究の段階ですが、線虫自体がシンプルな作りをしていることから、
がんの有無だけでなく、どの部位にがんがあるという詳しい場所などもわかるように
することも実現可能だそうです。
最初は自由診療で1回数千円での想定で実用化を目指しています。
またこの検査に保険が適用されるには、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認が必要ですが、
「生物診断」という判定の仕方が初めてのことなのでその承認には時間が掛かるだろうと、
廣津助教授はおっしゃっています。
しかし、日本よりもアメリカの方が医薬品の承認は早いので、アメリカから先に承認を受けることや、
色々な方法を考えて、保険の適用の実現化で、沢山の人が検査出来ることを考えて進めておられます。
追記:早ければ2020年1月から医療機関で検査可能に
2019年12月17日、嬉しいニュースが届きました!
「線虫」でがん早期発見 検査技術実用化 東京のベンチャー企業|NHKニュース
1万円ほどの負担で、ステージ1でも85%の確率でわかるそうですが、
どこの場所ががんか、場所まではわからないそうなので、
もしがんがあることがわかった場合は別の検査が必要なそうです。
研究が進んで、場所まで特定できるようになれば、
医療費の削減にもつながりますね!
最初にこの情報を知ったのが2017年でした。
2020年には実現するようなので、本当に嬉しいです。
まとめ
今回は、これからの世界の医療に明るさを投じたニュースを取り上げてみました。
日本でも死因第一位のがんですが、早期発見できれば怖がることがない病気です。
昔と比べると毎日がハレの日の食事のような飽食時代です。
国全体で取り組まない限り、医療費は増え続けるでしょう。
この「生物診断」が定期検診となり、ステージ0や1の段階で気づくことが出来る病気に
変わることを祈ります。
人工知能が凄いと言われる世の中ですが、やっぱり人間って凄いなと改めて思ったニュースでした。
ノーベル賞ものですね!
最後までありがとうございました!
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